“ちょうどいい”が心地いい|niikawa kei (新川桂)

モノ・コトを作る人の「暮らし」をインタビュー。

今回取材に伺ったのは、福岡県筑後市にある手作りふとんの会社『niikawa kei (新川桂)』。

 

先代の新川桂之助さんが1966年に原綿問屋、新川桂商店として創業。
現在では寝具原材料卸・寝具製造御をメインに、原綿問屋の目で見極めた良質の素材を使って妥協のないものづくりを行っている布団メーカーです。

 

 

 

 

天然の素材がもつ“ちょうどいいあたたかさ”を大切に、肌触りや目覚めをよくするためのふとん作りを目指し工夫を重ね、今も日々進化を続けています。

 

『niikawa kei (新川桂)』は布団や枕などの寝具だけでなく、木綿わたを使用した座布団やラグなども作られているのですが、驚くのは原材料からひとつひとつ厳選し、一枚一枚職人の手で仕立て作られていること。

 

実際に作業中の工場を見学させていただいたのですが、職人さんたちの熟練の技術と地道な手作業に感動!

 

 

 

 

そんなひとつずつ丁寧に作られたこだわりの寝具を、ひとりでも多くのお客様に届けたいという想いで日々活動していらっしゃるのは、先代の孫にあたるこの方、新川 忠幸さん。

 

 

 

 

『niikawa kei (新川桂)』に勤めて14年。
長身でスタイル抜群、とっても気さくな新川さんに、自身の想いや暮らしについてたっぷりお話を伺ってきました!

 

 

 

 

— まず、家業を継ぐことになった経緯を教えてください。

 

実は、今の会社で働く前は提灯屋さんで働いていたんです。
そこでは資材を職人さんに届けたり、絵描きさんに絵や家紋を書いてもらったりと色々な職人さんと出会い、お話しする機会がたくさんありました。

 

働くにつれてものづくりに対する興味が日に日に強くなっていき、その熱を家業で生かしたいと思うようになり、働かせてもらうことになりました。

 

 

 

 

— 会社の中で新川さんはどういったことをされているのですか?

 

役割としては、営業・企画・製造や簡単な事務作業等が主になります。
今僕は様々な部署で動いていますが、色々なことを経験することが仕事において多くの場面で役立っています。

 

例えば、製造をすることで営業の話がしやすくなったり、営業をすることで企画がポンっと浮かんできたり。

 

企画を考える時も、どこまでが製造可能だとかそういったことも理解したうえで進められるので、何かとスムーズに動けるようになったんじゃないかなと思います。

 

 

 

 

— 仕事をする上で大事にしていることや、マイルールなどはありますか?

 

仕事をするうえで大事にしているのは、常にユーザー側に立って物事を考えることです。
そしてそこに自分たちなりのこだわりや技術をうまい具合に落とし込んで“ちょうどいい”ものづくりができるよう心掛けています。

 

ユーザー側に立ちすぎても自分たちのこだわりや色、心を上手く伝えられない気がします。
逆にこだわりを押し付けても自己満足な商品しか出来上がらないと思うので、そういったところの“ちょうどいい”を大事にしてます。

 

 

 

 

—なるほど、確かに。そういった意味での“ちょうどいい”って、大事ですよね。「新川桂」の商品を通して、お客様に伝えたい想いは?

 

僕たちが製造している商品は寝具、日用品。
家に帰ってくつろいだり、ゆっくり体を休めるものがほとんどです。

 

より快適に、よりリラックスしていただけるよう、僕たちがこだわっている天然素材(主に木綿わた:コットン)を使って、職人の手で一枚一枚心を込めて作っています。

 

ラグ・座布団は家族団らんのひとときのリビングに。
布団は毎日6~8時間体と脳を休める唯一の時間に。
毎日使ってもらえる“ちょうどいい”を感じてもらえたら幸いです。

 

 

 

 

—毎日を楽しく暮らすために大切にしていること、心掛けていることはありますか?

 

なるべく沢山寝ることです!
ふとん屋だからということではないんですが(笑)
早寝早起きをとにかく心掛けています。

 

沢山寝ると心にゆとりが出来やすいんです。

逆に寝不足になると、仕事も遊びもすぐに疲れてストレスが溜まりやすくなったり、パフォーマンスの低下に繋がったりするので寝れる時は子供たちと同じ時間に寝て、朝日が出てきたら起きるようにしています。

 

 

 

 

—さすがふとん屋さんです!(笑)

休日はどんなふうに過ごされていますか?

 

晴れの日は地区のソフトボールに行くか、子供と外で遊びます。
雨の日は子供とブロックをするか、買い物に出かけることが多いです。

 

ソフトボールは最近なかなか行けませんが、ハマっています。
メンバーは年上の方(主に40~60歳)がほとんどなのですが、皆さん上手くて体力も凄い。
それ以上にエネルギーというか情熱というか「ソフト愛」みたいなものが本当に凄いんです!
憧れとパワーをいつもいただいてます。
先輩方が引退する前に少しでも早く追いつくのが目標です!

 

 

 

—仕事やプライベートにおいて目標や理想の暮らし方などはありますか?

新川さんの今後の未来図を教えてください!

 

ざっくりとですが…

・仕事の面では、これからもより良いものを作ってそれをお客様の元に届ける。
・暮らしの面では、住みよい家に住んで周りのみんなと幸せに笑って過ごす。

 

この2つのことを成し得るには、やっぱり体が元気じゃないとできないので、「とにかく体が元気であれば!!!」と常々思っています。

 

目標や理想はいつも持っていますが、その目標までどんな道のりで辿り着ければ満足して後悔のないものになるのか、その過程を大事にしています。

 

もちろん後悔する方が多いのですが(笑)、体が元気であればあるほど色々な選択ができるし、失敗しても何度でも挑戦し続けることができると思うんです。

 

その結果がたくさんの満足に繋がっていくことを信じて、これからも挑戦し続けたいと思います!

 

 

 

 

「本当に良いもので、人を笑顔にしたい」

 

これは『niikawa kei (新川桂)』が長年掲げてきた目標でもありますが、まさにそのようなものが、穏やかな表情で話す新川さんからもひしひしと伝わってきました。

 

手仕事で作られたものは、使われて初めて良さが分かるものなのではないかなと思います。
使用感だったり、経年変化による愛着だったり…。

 

私もコットンラグを愛用中ですが、購入した時よりも日に日に愛着が湧き、毎日楽しみながら大切に使っています。
本当に良いものと一緒に暮らすことで、自分自身の心持ちも変わってくるのだなと実感します。

 

昔ながらの変わらないものを守りながらも、現代に合わせた形で変化し続けるのはそう簡単なことではないと思いますが、新川さんにはこれからも“ものづくりの魅力”をたくさんの人たちに伝えていって欲しいなと思います!

 


niikawa kei (新川桂)

 

[ 住所 ] 福岡県筑後市大字長浜1799-2

[ Tel ] 0942-53-2288

[ 営業時間 ] 9:00-18:00

[ 定休日 ] 土・日・祝祭日