毎日暑い日が続いていますね、島田幾子です。
夏休みを楽しんでいる方も多いことでしょう。
日本では夏にお盆という行事があり、
自分のルーツを感じる季節でもありますね。
自分が今ここにいるのは、なぜなのか?
自分のルーツをずっと昔にさかのぼってみると
先祖代々さまざまな人が生きてきて、
そのおかげで今の自分がいることがわかります。
実際には、せいぜい曽祖父母あたりまでの話を聞くことができればいい方でしょうが。
家系図が残っているようなお家なら、とても興味深いお話がたくさんありそうですね。
私が子どもを生んだ時私の母はすでに他界しており、息子たちは父方のおばあちゃんしか知りません。
孫に会うことのできなかった私の母が「いない人」として
彼らの記憶に残っていかないことが無性に寂しく思えたので、
事あるごとに、彼らのおばあちゃんである母のをしてきました。
あなたたちのおばあちゃんはね…
中学校の教師で、「ブラウン系にカラーした髪&毛皮」という当時では派手なスタイルで登校していたこと。
車を特注色の「ピンクやイエロー」にしたいと言って、塗装屋さんを困らせていたこと。
集合写真で私が端の方に写っていると「なぜで真ん中に行かなかったの?」と必ず怒られたこと。
花壇の「母が植えたチューリップ」がきれいで、
そのせいか、私が一番好きな花はチューリップであること。
なぜか、「声優になりたい」といつも言っていたこと。
息子2人にはアスリート時代があったので、もし生きていたら、あなたたち「孫の応援におそろしく力を注いでいたであろう」こと。
母が仕事で忙しく、おばあちゃんっ子だった私は、彼らにとってはひいおばあちゃんのことも度々語ってきました。
遠足や運動会のここぞというときのお弁当は必ずおばあちゃんの担当でいなり寿司を作り、
お肉屋さんで売っている中で一番高いお肉を焼き、真っ赤ないちごなど添えて
彩りの良い「美しく美味しい気合い弁当」だったこと。
運動会の応援席から身を乗り出し、恥ずかしくなるくらい「大声で声援」を送っていたこと。
おばあちゃんが生きていたら、あなたたちの「自慢話がすごい」はずだということ。
サングラスをかけると「井上陽水さんにそっくり」だということ。
今はもういないけれど、そんな人たちがいて、あなたたちが生まれてきて、
脈々とその気質は繋がっているんだよ、ということを覚えていて欲しかったから。
この性格は、おばあちゃん譲りなんだね!
これはおじいちゃんに似たから、しかたないねー。
そんなふうに、勝手にご先祖様の「おかげ」やご先祖様の「せい」 にして
妙に納得してみたり、
「才能」を受け継いでいるかも、と嬉しい気持ちになったり。
そんな私の話を、当時小学校だった息子たちは
「死んでもこんなにいっぱい話をされたら嬉しいだろうねー」
と、案外楽しそうに聞いてくれたものでした。
が、もうとっくに忘れてるかも。
そこで、写真でしか見たことのないご先祖さまについて
大人になった息子たちに、どんなイメージ?って
LINEでさくっと聞いてみました。
先祖さまと聞いて、何を思い浮かべる?
長男 「うーん特に具体的にはないなぁ」
次男 「根っこ」
ご先祖さまってどんな存在?
長男「先に色々経験してくれた人ってかんじ 」
次男「自分の一部」
と、とても端的な返信が。
普段はルーツなど意識していないけれども
おそらくしっかりと彼らの心の底に沈んでいて
ジュースのシロップのようにストローで混ぜたら、心全体にふわっと湧き上がってくる
そんなことになってるかなと感じています。
ご先祖さま、私たちはしっかりと生きていますよ。
「そんなことはいわんでもわかっとる!」
という声が聞こえてきそうです。
karf ディレクター
島田幾子 Ikuko Shimada
東京・目黒から代官山に移転したばかりのインテリアショップ「karf」で店舗全体の企画を担当。
長年インテリアに携わってきた立場に加え、生活者目線の住まいと暮らし、親として学んできたことや
子育ての環境への考えを、パーソナルサイト「Good Life Tips」で発信。
その人気記事から2023年、絵本『家具ものがたり』を絵本作家の松田奈那子さんとの共著で出版。