子どもは可能性の塊だ!と常々思っている島田幾子です。
子どもって、大人からしたら「足りてない存在」に思ってしまうことが多いですよね。
あれを知らない、これができない。
みたいな。
しかし同じ目の高さで、親も同じことを体験すると、以外と自分の方ができなかったり
知らなかったりすることもありませんか。
小学校からサッカーをしている長男にリフティングを教わったときのことです。
要領を得ない私にあの手この手でいろいろとアドバイスをくれました。
私がやみくもにボールを蹴りあげると、案の定ボールはあさっての方向に。
「もっと足のこの部分にボールをあててみて!」
全くできない私に笑いをおさえながらも、的確な指示を出す長男。
ボンボーンと今度はなんとか2回足にあてることができたものの、ボールに足が追いつかず(笑)
「今のは強く蹴りすぎたねー」
さらに、ボン!ボーン!
息子の蹴り方を真似て、ももを使ってかろうじて3回。
「うまいうまいできるじゃん!」
「もう少し続ければ5回はいけるね」
なんと褒めて伸ばすいいコーチ。
君ならできる!的なモチベーションもしっかり持たせてもらいました。
長男は自分が好きで興味のあることなので、他の人にも好きになってもらいたいし
楽しさを知ってもらい、それを共有したい。
なによりリフティングを楽しんで、笑ってる私を見て嬉しかったのしょう。
子ども自身がどうすれば私に伝わるか一生懸命考えているようにもみえました。
一方、小学生の頃の次男はアニメのヒーローやゲームのキャラクターが大好き。
いかにカッコイイか、そのゲームがおもしろいか
ゲームクリエイターのことまで、つばを飛ばしながら喋ってきます。
その素晴らしさをわかってもらえれば、ヒーローのアイテムやグッズ
お気に入りのゲームを誕生日にプレゼントしてもらえるかもしれない!
下心も手伝って、俄然はりきって私にアプローチしてくるのです。
自分の説明になかなか思うようなリアクションをしない私に
どう言えばウケるか頭をフル回転させて身を乗り出し
目をキラキラさせてプレゼンしてきます。
そのヒーロー、どこが好きなの?
「・・・うん、なんとなく・・・・・・」
どうカッコいいの?
「・・・・だってカッコいいんだもん」
では、おもちゃは買ってもらえず、目的は達成しません。
ここで親に
「へ~そっか、確かにカッコいいね!」
「ゲームのストーリーも意外にしっかりして面白いし、
映像もキレイかも」
と思ってもらえば、プレゼン成功!
それは満足のいく成功体験になるに違いありません。
日常に繰り返されるよくある些細な親子のやりとりではありますが、
子どもにとっては自分の考えや意見を持って、しっかりと人に伝える
とても大事なトレーニングになっていたような感じます。
そう気づいたのは、彼らが成人に近い年頃になってからでしたが。
なぜ?
どこが好きなの?
どうしてそう思うの?
を自分の言葉で人に伝える。
伝える方法は、話すことではなくても絵を描くとか行動するとかでもいいですよね。
大人も耳を傾ける。しっかり、本気で聞く。
親は親、子どもは子どもと思わず、ひとりの人として
しっかり接することも大切なポイントと感じています。
今は、YouTubeをはじめ、あらゆるメディアがあり情報が豊富で
手元でいろいろなことを知ることのできる時代ですから
子どもたちの知識も豊富なことに驚きますね!
インプットの量はかなり多いでしょう。
それをどう自分ごとに理解し表現するか。
知識は、自らの考えを導き出すための肥料。
良い肥料があっても育つ力がないと、伸びていきませんよね。
でも、生物はその力を持って生まれています。
どの子どもも本能的に「本来持っている力」があるのです!
それが、環境によってそがれたり
失われたりしないようにすることが、大人の役割。
未来ある子どもたちの力が、もっともっと引き出され育っていきますように。
さらにその力が、本人自身とその周りの人たちまでも
ハッピーにしてくれることに向かってくれたら最高じゃないでしょうかっ!
karf ディレクター
島田幾子 Ikuko Shimada
東京・目黒から代官山に移転したばかりのインテリアショップ「karf」で店舗全体の企画を担当。
長年インテリアに携わってきた立場に加え、生活者目線の住まいと暮らし、親として学んできたことや
子育ての環境への考えを、パーソナルサイト「Good Life Tips」で発信。
その人気記事から2023年、絵本『家具ものがたり』を絵本作家の松田奈那子さんとの共著で出版。